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10センチメンタル。

ちょうどいい距離感

忘れるかもしれない前に書いておきたかった、大切なバンドUNISON SQUARE GARDENのこと。

 
 

2013年

 

「朝が来るまでもうちょっと時間があるから、もうちょっとだけ、遊んでやるよ」

 
田淵さんがアンコールでのMCで言い放つように投げた言葉。
 
正直な感想、随分と上から目線だな、と思った。 
 
 
・3/23 CIDER ROAD @甲府CONVICTION
これが私が初めてユニゾンを見たライブ。キャパは400人前後。誘ってくれた友人には本当に感謝している。当時ユニゾンの曲は「オリオンをなぞる」しか知らなかった私なんかによく声かけてくれたよ。(勿論その後アルバムを聴きこんだ)
 
ぱっとフロアの証明が消え、ステージだけがライトアップされて、3人が登場するやいなや後ろからぎゅっと押されて、ステージとの距離が50cmあるかないかくらいの所まで来た。前から2列目でだいぶ近いけど、始まってすらいないのに、この公演が終了するまで生き延びれるか一気に不安になった。
 
歓声があがる。手を伸ばせば届くんじゃないか、そう思えるくらいの距離に斎藤さんがいた。後にも先にも、もうこの近さでユニゾンを聴けることは無いと思う。
 
「ようこそっ」
 
to the CIDER ROADのイントロ。ステージを照らす証明と共に何かが始まるのを全身で感じた。
 
何が正しいノリ方なんだろう、とか、どのタイミングで手を上げればいいんだろう、とかそんなこと考える余裕もないくらい楽しかった。
 
印象的だったのは、オリオンをなぞる。普段聞き慣れているはずの曲も、ライブで聴くと全くの別曲のように思えた。1番盛り上がりも凄かった。
あぁ、ライブで聴くと、こんなにかっこいいロックサウンドになるんだ。
 
あっという間にアンコール。
 
「楽しいか?」
 
お客さんの反応を見ながら田淵さんが「そうかそうか」と頷く。「もう少しで朝になっちゃうけど、明日も楽しみを選べばいい。朝が来るまでもうちょっとだけ遊んでやるよ」
 
ステージの端から端を動き回って足を上げて首を振り回して、アンコールでぴたりと止まって真面目な話をするかと思ったら、今更何を言ってるんだ、と思ってしまった。誰よりも充分遊んでるじゃんか。
 
ガリレオのショーケース」。
 
「遊んでやるよ」と言った本人は、お立ち台の上に立ってお客さんの熱に応えるようにあちこちを指差したり何かを言ったりなんかしていて終始嬉しそうだった。(何を言葉にしているのかわからないけど、それはファンを3年やらせて頂いてる今でも解読不明だったりする)
 
前言撤回、というか何か私は誤解していたのかもしれない。上から目線でも、偉そうでも、なんでもなくて。この人は自分たちの奏でる音楽と作り上げるライブが最高に楽しいことに、誰よりも自信を持ってるだけだ。
 
あっという間に過ぎた2時間。ただ、スタンディングのライブに慣れていなかったので、生きるのに必死だった感がある2時間。次回ライブに行く時はもう少し予習が必要だと思った。そして同時に、この人たちの音楽をもっと知りたい、とも思った。
 
 

2014年

 
・3/21 桜のまえ @Zepp Tokyo
 
ニゾンは予想を通り越して楽しい!!大余韻に浸りながらお台場の街を歩いたその2日後。斎藤さんがポリープ摘出手術のために休業に入ることを知った。
事実は受け止められたけど、辛さや不安を微塵も感じさせない完璧なライブだったから、休止の記事だけが頭に浮いてて、上手く言葉にできないけど、もやもやが止まらなかった。
 
僕は僕の歌を愛しています。UNISON SQUARE GARDENのボーカルは自分以外にいないことを誰よりも理解しています。
 
 
好きですじゃなくて、愛してます。文字とは言え、言葉にするのはなかなか難しいと思う。それを言い張れる斎藤さんはやっぱりかっこいいと思った。
ニゾンの曲のどこが好き?と聞かれることあって、それまでの私は迷わず歌詞が好き、て答えていた。言葉の意味を考えるよりも早く直感的に心に刺さる歌詞が好きで、その楽曲を考えているのは田淵さんなんだけど、それを届けてくれるボーカルが斎藤さんだから、尚更素敵に感じられるんだと思う。田淵さんの書いたどんな歌詞でも、それらを拾い集めて歌にできるのは、斎藤さんしかいない。
 
無事に成功しますように。また3人が、ステージ上で見れますように。
そんな願いの反面、この病気を乗り越えたらとんでもないボーカリストになれるんじゃないか、そんな斎藤さんの予感が実現する気がして、重い話題の中で不謹慎ながら、一ファンとしては期待もあった。
 
 
・8/26 めざましライブ
 
前回のツアーで見たのが3月だから、5ヶ月ぶりかな。私にとって、これが復帰後初のユニゾンのライブ。
野外で見るのも初めてだから、変な緊張もあった。
 
会場待ってる時に小雨が既に降り出して、天候はかなり不安定だったはず。晴れバンドしっかり仕事してくれ~~ってずっと言ってた。
 
 
登場早々、斎藤さんの細さに驚く。(細いのは元から知っていたけど、もやしっ子に更に磨きがかかってる気がして) 
 
すぅっと一呼吸する音が聞こえた後、
 

――――僕らは声が枯れるまで

 

一気に会場が湧いた。
土壇場からカウンターアイディンティティ。満足!!来てよかった!!(早い)
 
harmonizedfinaleの時、爽やかな風が吹いていてなんだか泣きそうになった。あぁ、ちゃんと戻ってきたんだなぁ。心の中で精一杯の「おかえりなさい」を送る。
 
アンコール。
 
「新曲をやります。流星を撃ち落とせ」
 
ライブで初めて聴いたから、CD音源のマジでやばいやばいやばいやばいを聴くと不思議な感じ。
初めてやる曲だったので歌詞を思いだしながら演奏しました、と斎藤さん。
 
続いてフルカラープログラム。前の方の席にいた小さな子供に手を振る斎藤さん。にこにこしながら、何か言いかけているように思えた。
 
「おまけっ!」
 
ワイルドワイドスーパーガールで小刻みなステップで途中裏方へ消えてしまった田淵さん。1番はほぼほぼステージにはいなかったんじゃないかな。2番で満更でも無さそうに戻ってきた。
 
 
ライブが終わって、雲が近かった空にいつの間にか晴れ間が見えてた。
ぽぷらと最新曲が中心なセトリ。
大好きな曲が聴けて大満足な一日だった。
 
 
・11/29 @中野サンプラザ
 
ホールはホールでの楽しみがある。
ライブハウスでもどんな場所でもユニゾンのライブは楽しいことには代わりは無いのだけど、モッシュで左右に流されたり予告無しに押されたりするより、その場でぴょんぴょん跳ねる方が好きなので、自分の空間があるのは嬉しい。
 
to the CIDER ROADが聴けたのが大収穫。
初めてのユニゾンのライブで1番最初に聴いた曲だし、この曲はどうしたって特別。
 
天国と地獄のラスサビの前の
「OK, People one more time?」
このフレーズだけで一瞬空間が止まるのが好きだ。
 
あ、あと貴雄さんが前日のライブに続いてお手洗いに消える事件もあったなぁ。(笑) 涼しい顔を崩さず斎藤さんが下ネタを勃発させたMC→蒙昧termination。
この曲、今までのユニゾンにありそうでなかったテイストの曲で凄く好きなんだけど、斎藤さんは一体どの間合いで息継ぎしているんだろうて心配になる。
 
 
 あれ、まだ何かあるのかな。
 
「次は、2015年7月24日、ユニゾンの結成記念日に日本武道館で会いましょう。バイバイっ」
 
鳥肌が立った。
頭の中のボキャブラリー全部置いてきて、多分ひたすら「やばいやばいやばいまじでやばい」を連呼していたはず。
ついに、なのか。やっと、なのか。
上手く言えないんだけど、好きなバンドの記念日に立ち会って一緒にお祝いできるのは本当に嬉しい。
 
 
 

2015年 

 
・5/20 『シュガーソングとビターステップ』発売
 
この曲が発売された時、私は絶賛就活中だった。すっかり予約するのを忘れていて、企業説明会が終わるや否やタワレコに駆け込んだのを覚えてる。
夕方の時点で初回盤が既にラスト2枚。通常版も残りの枚数は多くはなかったと思う。
電車の中でTwitterで売り切れの店舗続出を知る。
 
YouTubeで1番だけ聴いたことがあって、その時はわぁ、可愛いって感じだったけど。ラスサビ前のセッションに度肝を抜かれた。
 
 
1番好きな歌詞はここ。
 
最高だってシュガーソング                     幸せってビターステップ                             死ねない理由をそこに写し出せ
 
ここのメロディには、曲の1番では「甘くて苦くて目が回りそうです」なんて、可愛らしい歌詞が乗るのだけど。
人生においての教訓(だいぶ大袈裟すぎるかもしれない)というか、こんな感慨深い詩が予告無しに来るのが田淵さんらしい。
 
そしてラスサビの、もう1つの命令形。
 
生きてく理由をそこに写し出せ
 
この言葉ほど、就活生である自分の味方になってくれる歌詞は無いなと思った。 
会社から不採用通知が届く度に、自分の価値を社会に否定されてる気がしてならなかったけど、この曲には後ろ向きの励ましを貰えた。たかが就活なんかで自分の価値、他人に決められてたまるもんか!!!って。
面接に挑む前の電車でシュガビタを繰り返し聴いていたことも、凄く思い出深い。
 
iTunesのランキングでもトップを数週間維持してたり、有線でも結構かかっててその影響もあって、周りの友達が「ユニゾンなんとかのシュガーソングって曲、イイね!」なんて言ってくれたり。
 
レコード会社もまさかこんなに売れるなんて予想してなかったのかもしれないけど、入荷されては売り切れ、入荷されては売り切れを繰り返すこの模様はちょっとした社会現象になったんじゃないかな。
アニメのタイアップってことは勿論あるけど、それだけじゃなくて初めて聴いた人でも耳に残ってしまうメロディーが、多くの人を虜にしたんだと思う。
 
しかも武道館の通常席チケットはこの曲が発売されるよりも早く、完売間近。それに続いて発売されたバックスタンド席も6月には完売。
 
充分、世界中を驚かせてると思った。
 
・7/24 funtime724 @日本武道館
 
自分は10年ロックバンドとして走り続けてきた彼らの活動の、半分も知らなくて。
もっと早く出会いたかったな。CIDERROADで初めてライブを見て好きにやっとなって、過去の楽曲に遡って、知れば知るほどもどかしくなる。
でも、これから10年先も、このバンドをずっとずっと応援し続けよう。
そう思わせてくれるライブだった。
 
楽曲も含めて、田淵さんの生み出す言葉選びが物凄く好きで。今回もニヤリと思えてしまう名言があった。
 
君の好きなロックバンドはたくさんの人に愛される曲や、世の中に受け入れられそうな曲を書いてこなかった。友達や親に勧めてもだいたいの確率でロクなことにならないと思うから期待しないでほしい、とのこと。
 
「でも、君の好きなロックバンドは、誰が何と言おうと絶対にかっこいいから、自信を持っていい。これも、僕が保証します」
 
クサイけどかっこいい。
君たちの好きな、じゃなくて、君が好きなって言ってくれるとこがいい。一人一人と向き合ってる気がする。
初めて行ったライブでのMCでの言葉「自分自身で明日を選ぶんだ」とほんの少し重なった。自分にとっての価値を決めることを他人に委ねてはいけない、そんな想いが、ちゃんと含まれてるんだなぁ。
 
アンコール後、広い会場の真ん中にぽつんと斎藤さんだけが残った。
 
「僕らの目標は大きい会場でやるとかもっと売れるとか、そんなことではありません。そういうのは結果としてついてくることだと思います。僕らがなりたいのは、大事な皆さんの大事なバンドであり続けることです」
 
ライブの度に、ユニゾンが好きだ!って叫びたくなる衝動にかられ、余韻を暫く引き続けるんだけど、今回の武道館は違った。このバンドが好きでよかった、ありがとう。そう、心の中で幸せと感謝の想いを噛み締めるのに必死だった。
貴雄さんがソロの部分で宙に浮いたり、斎藤さんと田淵さんが下から上昇してきたり。あと天国と地獄の炎かな、それ以外に変わった演出は無くて。本当にシンプルな、いつもユニゾンのライブ。俗で言う通常営業。
それでも360度全ての席をファンで埋め、ど真ん中で演奏する3人は今までで1番かっこよかった。
 
11周年おめでとう!
 
 
・11/6 プログラムcontinued @清水SOUNDshowerark
 
「初っ端から熱くて、驚いてます」
3、4曲やって既に汗だくの斎藤さんが言うほど、とにかく熱かった。
 
片道1時間の場所でユニゾン見れる日が来るなんて思ってもなかった!ライブ後お腹空いて、駅前のマックでご飯食べても終電余裕で間に合うんだよ。
 
ニゾン3人がサッカーをやってた少年時代の話。
貴雄さんはペナルティエリアから出たがるタイプのGK。田淵さんはとにかく動き回って動き回るタイプのFW。同じサッカーチームだったらしい。
実は清水エスパルスのファンだった(過去形)とカミングアウトする斎藤さんも小学生の時1年間だけサッカーチームに入っていたらしく。長袖のエスパルスのユニフォームをお洒落だと思って着ていったら、チームメイトに「風邪でもひいたの?」て言われて。恥ずかしくて本当のことを言えず、「風邪ひいた」と嘘をつき結局試合には出られなかったんだよねと斎藤さん。
 
「そんな3人ユニゾンスクエアガーデンです。では次の曲行きましょう」
 
響くベースラインに自然と体が動く。
個性豊かな幼少時代を語った後のチャイルドフッドスーパーノヴァ。他の会場でのMCはわからないけど、この流れ、本当に素敵すぎる。拍手しかない。
 
 
「いつもツアーだと、浜松(窓枠)の方ばかり行ってしまうんだけど、今回初めて清水に来て、清水も悪くないなって思いました。最高です、清水。また来ます」
 
ラストはガリレオのショーケース。
そういやCIDERROADもガリレオだったっけ。初めて行くライブを思い出して、予習せずに挑んでった自分を後悔する。「毎日がっそう」、今日はできた。
 
ベースを床に置き、軽々バク転する田淵さん。運動量すごい。誰よりも熱そうなのに。
 
また遊びに来てね、じゃなくて私たちの見える所に会いに来てくれるのが嬉しい。
 
生きてく理由も死ねない理由も、会いたい人がいる、聴きたい音楽がそこにある、それだけで充分だと思った。
 
 

2016年

 
・1/27 プログラムcontinued @NHKホール
 
新曲についてや今後の活動についての告知も特に無く。3か月間に及ぶツアーのファイナル公演にしては、非常にあっさりし過ぎてた気がする。
 
同時にUNISON SQUARE GARDENほど、シンプルなバンドは無いなと、再確認したライブだった。
 
アンコールでのMCで斎藤さんはこう言った。
 
「去年の11月からスタートして。今日のファイナルまでやって来たわけですけど、特別なことはなにもしてません。
 
良い音楽を良い演奏で。それを皆さんの目に見える所で届ける、そんな僕らのライブで
良ければまた遊びに来てください。UNISON SQUARE GARDENでした」
 
フェスでも何回かユニゾンのステージを見てるけど、殆どMCは無くて。
ただ淡々と自分たちの曲の演奏をこなして会場の盛り上がりを最高潮にさせてから、去って行く。
 
2014年のCDJ。GALAXYステージでユニゾンの演奏を見た後。
私のすぐ後ろにいた男性から聞こえた会話。
「やべえめちゃくちゃかっけぇ」
「最初から最後まで終始かっこよかったな!」
それなそれな。思わずそれな!と会話に入り込んでしまいたいくらい。(勿論そんな勇気はなかったので大幅に頷いてみた)
 
今回のツアーのファイナルを通して感じたこと。
 
どこがかっこいいとか、ここの演奏がかっこいいとか、そんな部分的な範囲の話じゃないんだよ。
 

もう全部かっこいいんだよ。

 
ニゾンのライブは観客と一定の距離を保っていて。掛け声も楽しみ方も盛り上げも一切強制しない。それでは物足りないと感じる人もいるかもしれない。それでもいいと思う。自由を自分自身で選ぶ、そんな気ままなスタイルが私にとって最高に心地よいのだ。
 
少し私事になってしまうけど。もう3月になってしまったので、学生でいられる期間も残り1ヶ月。社会人って響き、まだ慣れないし寧ろ慣れたくないんだけど、そんなこと言っていられない。
ニゾンを好きになって初めて音楽の楽しさを知ったし、そこから多くのアーティストと出会うきっかけにもなった。改めてユニゾン無しには語れない学生生活だったと思う、就活中なんて特に救われる部分も多かった。
これからもそれは変わらないけど、生きてく理由を貰っているだけじゃなくて、何らかの形で恩返しして、自ら発信していく立場になることができたらなぁて思うこの頃。
 
少なくとも、自分自身でちゃんと好きなものを、明日を、選べる具合には。