10センチメンタル。

ちょうどいい距離感

よーいどんで子供の日 READY STEADY go!go! vol.03 @赤坂BLITZ





5月5日。子供の日。ゴーゴーの日。

家に帰るまでがライブ(だと私は勝手に思っていて)。
赤坂BLITZを出て地図アプリに完全に頼りきって歩いていたら全然違う道に出てしまったので、めちゃくちゃ、めちゃくちゃ焦った。最後はホームまで全力疾走。息を切らしながら駅員さんに乗り場を聞いた。 そろそろ東京というか都会の乗り換えに慣れるようになりたい。地図アプリも乗り換えアプリも上手く使いこなせるようになりたい。

今更すぎるけど感想文を書きたいと思う。



「シャンデリアワルツ」で度肝を抜かれる。アルバム「CIDER ROAD」では1番最後に収録されている曲だけど、はじまりを告げるのに相応しい曲だなと思う。歌詞にも「世界が始まる音がする」なんてあるしね。

「サイレンインザスパイ」「桜のあと」ここまではノンストップ。

斎藤さん「本日の主役…go!go!vanillasの出演まであと転換含み50分。それまで好き勝手やらせていただきます!ユニゾンスクエアガーデンです!」

「instant EGOIST」「誰かが忘れているかもしれない僕らに大事な001のこと」

少し長い転換の後、斎藤さんが「go!go!vanillasに」と流暢な発音で話し出す。「go!go!vanillasに呼んでいただいて、本当に嬉しいんだよ。」

気持ちを込めて嬉しそうに言う斎藤さんの顔が忘れられない。この言葉が聴けただけで、もう充分だ。
そうだ、ユニゾンの2014年に開催された自主企画イベントにバニラズが呼ばれたのは、バニラズがメジャーデビューするより少し前で。
デビュー前から、バニラズを同じアーティストとして注目し、応援し続けていたし活躍を見守ってきたはず。
あれから約二年後、対バンという形でイベントへのオファーを受けて、同じステージに立つことへの想いの大きさは計り知れないと思った。

斎藤さん「僕ら若いつもりでずっと音楽やってきたけど、気づいたら中堅という沼に片足をとられ、両足、腰元あたりまでどっぷり浸かってしまったのね。(笑)
そんな僕らにバニラズが今回のイベント開催にあたって、直筆で手紙を書いて頂いてくれて嬉しかったですね」
「僕らバンドとしても3人、バニラズが好きなんですよ」とここで斎藤さんがバニラズとの共通点を挙げるんだけど

①ボーカルがイケメン。

②ベーシストの体幹が強そう。

③ドラム、セイヤさんと貴雄さんが似てる。


斎藤さんのMCは、対バンだと更に磨きが掛かってる気がする。笑

「楽屋でバニラズに2009年の貴雄の画像見せたら皆共感してくれて。セイヤくんもリップサービスかも知れないけど似てるって言ってくれて。
セイヤくんはうちの貴雄に憧れているみたいなので、セイヤくんは二年後にきっとアフロになります。2011年の貴雄がそうだったんで」

貴雄さんが歓喜からなのか(?)催促を求めるように急にドラムを叩き始める。斎藤さんのMCは続くんだけどそれを邪魔するように。

斎藤さん「うっさいなぁ!耳商売道具なんだから辞めて!」

(´∀`)笑


斎藤さん「7月に出るアルバムから一曲やります」


パンデミックサドンデス」紫と緑の照明にさっきまでのMCで和やかだった空間がかっ去られていく。
油断していると噛み付かれそうだ。

発表されたの去年の10月とかだっけ。ライブでしか聴くことのなかったこの曲の音源が7月にはCDとして手元に届く。勿論嬉しいし早くフルを聴きたい、歌詞カードに目を通したい、ただなんだろう特別感が無くなってしまうのは少し寂しいな。

シュガーソングとビターステップ」「オリオンをなぞる」この曲の流れが本当に最高で最高で最高だった。シュガビタのイントロ部分だけで今日一際強い歓声があがる。なんでこんなに私も皆もシュガビタ好きなんだろう飽きないんだろう。いつ聴いても全身が騒ぐ曲だな。と。オリオン、いつ聴いても懐かしい感じになるんだ。イントロだけでわ~!ってなる感覚はシュガビタとも似てる。

ラストは「天国と地獄」。
じゃーん→「ユニゾンスクエアガーデンでした。ばいばいっ」みたいな感じで余韻を惜しむ間も与えず、あっさり退散。でも私が好きなユニゾンのスタイルだった。対バンであろうとツアーであろうとFCイベントであろうと、自分たちのかっこいい音楽をするだけという揺るぎないスタイルに変わりはなくて。7月からのオリジナルアルバムを引っさげての全国ツアー、どんな彼らのステージが見れるんだろう。今から凄く楽しみで仕方ない。


さて。go!go!vanillas

ツーマンという形ではあるけど、バニラズのツアーに参加するのは今回が初めてになる。

セイヤさんのドラムのソロからスタート。「READY STEADY go!go!」の掛け声と共に力強いドラムがホールに響く。
そこにベース、ギターと、順にメンバーが加わっていく感じになる。
最後に牧くんが登場し、いつの間にか四重奏になっていた。

「本日の主役、go!go!vanillasです!」

冒頭から「スーパーワーカー」心臓に悪い、勿論いい意味で。会場の盛り上がりは急上昇どころかもはや最高潮。いきなり攻めすぎていて、大丈夫か最後まで持つのかな!?なんて心配してしまうくらい。


牧くん「前にユニゾンのイベントに僕ら呼んで頂いたことがあって、その時貴雄さんから直筆の手紙を貰って。その手紙にバニラズの愛がめっちゃ綴ってあって『ありがとうございます』って御礼を言いに行ったら、『よっしゃ、成功した!』って(笑) 情に訴えかける作戦ねらったみたいで」
「冗談ですよ、貴雄さんの粋な計らいでしたね」

仲の良さが伝わるようなエピソードに、思わずにやりとしてしまう。

そしてここでうろ覚えのMCたち。上手く言葉にできないので雰囲気だけでも伝われば。

「セイヤ明日アフロにしてくれば?」
「急成長しすぎやろ」もはや漫才。

唐突に進太郎さん「2年後、俺は斎藤さんのギターになる」
「確かに向こうスリーピースやー」「ギターも白だしなー」みたいな会話をしつつ、牧くんの前で全身でギターを演じ真似た信太郎さんに拍手。笑


ライブもいつの間にか終盤。

自主企画のタイトルでもある「READY STEADY go!go!」は、日本語でよーいどん!の意味であるらしく。
プリティさん「皆この歳でよーいどんとか言わないやろ。ユニゾンのinstant EGOISTは言うけどな!」

疾走感溢れる「カウンターアクション」。ラスサビの所では牧くんが催促して、子供に戻ったように今を忘れてその場で大きくジャンプ。この瞬間がめちゃくちゃ楽しかった。

アンコールに応えて4人が再度登場。会場限定のREADY STEADYのTシャツを着ていた。

牧くん「なんと裏にはgo!go!vanillasUNISON SQUARE GARDENのロゴが書いてあります。今日という日が新たに歴史に刻まれました!」

「エマ」。デビュー前から歌われている定番曲だからか、他の曲とは違う確率された何かがある。私がバニラズを好きになったきっかけの曲でもあるんだけど、バニラズと言ったらエマだな、と。リズミカルな曲調についつい手で音頭をとっていた。全身全霊でのれる曲だと思う。

皆さんへの感謝の想いを曲にしました、とラストの曲は「ギフト」。最後に相応しい曲。今回のアルバム、通勤中に流して聴くことが多いのだけど、家に帰ったら歌詞カードに目を通しながら改めてじっくり聴きたいなと思った。

新しいアルバムとインディーズ時代からの曲、ファンを選ばない新旧混じったセトリ。1ミリの隙も与えずに楽しいが散りばめられていた。バニラズ、ワンマンも行きたいな。


5月5日、2組のバンドが放つ渦に巻き込まれてきた。ご縁があってチケットを譲って頂き、この日に立ち会えたことへの喜び、そしてやっぱ私は音楽が明日への活力だなぁとしみじみ。
どこの曲間でか忘れてしまったけど、牧くんが「ユニゾンは尊敬する先輩バンドであり、刺激し合えるライバル的バンド」と言っていた。お互いが一アーティストとしてリスペクトし合っているのが言葉だけじゃなくて演奏を通しても伝わったし、こういう関係性が良いな、と素直に思った。
また2年後、2組の共演が見たい。


そして今回のライブ内でよく耳にした「子供の日」というワード。

プリティさんだっけかな。
「今日は5月5日!子供の日!今日は1年に1度しかありません!」

そりゃそうだ、と心の中ではツッコミを入れてたけど、この瞬間がもうちょっとだけ続けばいいのにと欲しがってしまった。

小さい頃は早く大人になりたくて堪らなかったのに、今はどうしたって戻ることができない時間が愛おしい。

学生卒業間近にして、そろそろこのあたりで時間止まらないかな、なんて思うようになったりして。社会人になるまでの期間は、どんだけ有意義に過ごしても1日24時間じゃ足りないくらいだった。

学生と比べて時間の足りなさに戸惑いつつ、日々迷走しながらも社会人としてなんとか1ヶ月生き延びることができた。
思い描いてた理想の大人になれているかどうかはまだわからないけれど、少しずつ、近づけたらいいと思う。

ただ時を忘れて今を取り囲む音楽に夢中になって、思い切りはしゃいだりジャンプしたりして。
年に一度、そんな特別な祝日があるのもいいなぁ。

そんな風に思えた。